アボカドの木

アボカドに関する情報を気ままに発信しているブログです

基本的なことなのかもしれないけど、わかっていなかった苗と実生の違い

アボカド栽培をはじめるとき、苗を買って育てるのもいいけど、種から育てるのもまたちがったおもしろさがあると思います。種からだと発芽するところから成長が見られるから愛着もわきやすいし、なによりお金もかからないのがいいですよね(笑)

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でも、そもそも苗を買って育てるのと種から育てるのって何がちがうの?

わかっている人にしてみれば、あたりまえのことだと思うのですが、私ははじめわかってなかったですし、今も説明するときはいちいち苦労しています。

ここでは苗と種(実生)のちがいを説明してみたいと思います。

 

 

 

アボカドの殖やし方

まず、アボカドに限らず、植物の殖やし方は種子繁殖と栄養繁殖に大きく分けられます。

 

種子繁殖は種を植えて植物を殖やすことです。実生とも言います。種子繁殖で殖えた個体は両親の遺伝子を引き継ぐためひとつひとつが遺伝的に別の物になります。

 

一方で栄養繁殖は植物の栄養器官である根・茎・葉から植物を殖やすことです。挿し木、取り木、接ぎ木、ランナー、球根などなどあります。アボカドの場合、接ぎ木で増やすのが一般的です。

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アボカドの接ぎ木。下の台木と上の穂木を切断面で合体します。こんなことが本当にできるんだって、はじめて知ったとき、わたしは衝撃でした。

 栄養繁殖では親の遺伝子をそのまま引き継ぐことになるため殖えた個体はすべて遺伝的に同じものとなります。上の接ぎ木の場合は、穂木が、親と同じということになります。そして、売ってある苗はこのようにして、栄養繁殖で殖やした植物です。

 

 

 

 

 苗と実生(種)だったら、どっちの方がおいしいの??

売られている苗は栽培品種といって農業や園芸利用にとって都合のいい物となっているため、優秀です。

栽培品種(さいばいひんしゅ)とは、農業や園芸利用のためにつくられた(育種)、有用な形質を保持する分類群である。 栽培品種は、種より下位に位置する分類階級である。 園芸品種(えんげいひんしゅ)とほぼ同じ意味で用いられる。

                        引用-Wikipedia

一方で、実生はというと、どんなものができるのかは、実際に植えてみるまでわかりません。寒さに弱くすぐに枯れてしまうかもしれませんし、特徴的な形の果実をつける立派な木になるかもしれません。そして、なんといっても実生のアボカドは「世界に一つだけのアボカド」になります(笑)。

一般的に実生から育てた果物は親に比べて劣っていることが多いと言われていますが、実生でも優秀なものが生まれやすい果物というのはあるそうです。アボカドも世界中には、ものすごくたくさんの品種がありますが、日本で育てられるものという観点で見るとあまり数はありません。ということは…今から種を植えて日本で育つおいしいアボカドを作れる可能性はありますね!

 

結局、苗と実生どっちがおいしいの??ってことなのですが、「それは種をうえてみるまではわからない!」と言いたいです。

 

 

 

 

 

日本全国でアボカドの育種が行われている?!

今、アボカドは流行っていると思います(笑)。そして、アボカドの種を植えることも、また、流行っていると思います。果物の中で一番種が植えられているのではないでしょうか?(←ごめんなさい、勝手な想像です)

今は、ビワとかカキとかカンキツとか民家の庭先でよく見かけますが、30年後にはビワでもカキでもカンキツでもなくアボカドがあちらこちらに生えていて、「〇〇さんとこのアボカドはおいしいよー」とか言われてたりして… なーんてことがあったらすごいですよねー。

 

 

 

まとめ

買った苗から育てるアボカドと食べた後の種を植えて育てるアボカドのちがい、なんとなくわかっていただけたでしょうか。

「農業としてアボカドを栽培しよう!」って方には向かないかもですが、「のんびり待つしいつか実がついたらいいなぁ」ってゆる――――くアボカドを育ててみようという方にはぜひ実生栽培がオススメです!

もちろん、観葉植物としてもすごくかわいいですが、大きな庭があったら庭に一本アボカドの木なんてどうでしょうか?